簡単1分対処法『マインドフルネス』
今回で第6回を迎えた,子育ての感情コントロールに関する記事ですが,前回は,心の傷付きが子育てに影響するという少し深い内容を扱いました。今回はガラリと変わって,イライラしたときに気軽にできる1分対処法をご紹介したいと思います。
その名も『マインドフルネス』です。
その状態は,頭の中のスマホアプリが何十個も開いてパンク寸前の状態!

怒らない方がいいとわかっているんだけど,気がつくと怒っちゃってるんですよね

私も,つい口うるさく言っちゃって,夜寝る前に,言い過ぎたかなと反省したり…

実際,カーっとなっちゃうと,自分を止められないんだよね

怒ったり,不安でいっぱいになっているときは,頭の中が「次にすること」や「将来の不安」でいっぱいになっているんじゃないかな
たとえるなら,スマホの画面が10個も20個も開いてパンクしているような感じ
マインドフルネスは,スマホのアプリを全部閉じて『1つの画面』だけにすることに似ているよ
※記事中のご相談者さんのセリフや、ご相談例などについては、様々な子育て相談をごちゃ混ぜにした架空のご相談事例や、よく聴かれる「あるある」です。実在の事例ではありません。
頭の中のアプリを全部閉じて,『1つの画面=今この瞬間』に集中する
イライラや不安でいっぱいの頭の中は…
夕方~寝かしつけまでの忙しない時間,「早くご飯を食べさせないと」「宿題が終わらない,どうしよう」「お風呂に入れた後は歯磨きさせて…」「早く寝かしつけなければ」と頭の中が忙しくパンク寸前…怒りやすい状態になっています。
あるいは子どもの宿題を見ていて,ささいなつまづきから「こんなことができないんじゃ,将来困るのではないか」などと不安になると,小言が出やすくなるかもしれません。
そしてちょっとしたことで怒りが爆発…となっていませんか?
よく考えてみてください。あたまの中は『この次にすること』や『将来のこと』など,今ではない『別のこと』でいっぱいになっていますね。
この『別のこと』とさようならして,『今ここ』に集中すると,怒りや不安は落ち着きます。そして,今するべき対処に落ち着いて取り組むことができます。
この『別のこと』とさようならして『今ここ』に集中することをマインドフルネスと言います。
『マインドフルネス』について,もうちょっと詳しく(サクッと読みでOK)
たとえばあなたがお子さんに怒っているとき,または子どもの将来に不安を感じているとき,「私は今,怒っている/不安になっている」と気づくことができるでしょうか。それとも,一通り怒った後に「ああ,また怒ってしまった」と思うのでしょうか。
後者の場合,怒ったり不安になっている瞬間は,自分がどんな状態なのか気がついていないのかもしれません。さきほどのたとえのように,『頭の中のスマホアプリが何十個も開いている状態』と同じで,今取り組むべき画面がどれなのか,混乱してしまっていると言えるでしょう。
これはなにも特別なことではありません。日常でも起きている脳のシステムなのです。
私たちは,たいてい『今ここ』に気がつかずに生きている
食べながらテレビを見たり,おしゃべりをしたり,考え事をしていても,いつもの習慣でキレイに食べ終えることができるでしょう。このような,機械的にふるまう状態を『自動操縦状態』といいます。
私たちは,日々の生活の中で,実に多くの時間を何が起こっているのか十分に意識せずに『自動操縦状態』で過ごしています。
自動操縦状態がなくなるとどうなる?
生活の中で『自動操縦状態』というシステムは大変役に立ちます。これがなければどうなるでしょうか?
「ええっと,お菓子を食べるには,まずこのお菓子袋を手に取って,指先に力を入れて袋を破り…」とまるで初めてお菓子袋を破る子どものように,毎回,あらゆることに『意識的に』生活しなければなりません。それでは子育て生活は回らないでしょう。お菓子袋は,テレビ見ながら知らずのうちに開けられるくらいでないと不便でしょう。
しかし,『頭のアプリが何十個も開いてパンク状態』のために,『自動操縦状態』が発動して怒りだしてしまうといった時には,大変困ったシステムになります。
そこでマインドフルネスを使って,頭のアプリを全部閉じて,『今ここ』に集中するわけです。
元々は『瞑想』だったマインドフルネス
瞑想と聞くと,面倒くさそうに聞こえるかもしれませんが,とっても簡単なやり方が色々あります!
『瞑想』から『ストレス軽減のためのもの』へ
マインドフルネスはアメリカ生まれ。最初は,うつ病の再発防止のために瞑想を取り入れたプログラムが開発されたことから,宗教的要素を取り払って『マインドフルネス』と呼ぶようになりました。
その後,ストレス軽減にも効果が見られることがわかり,様々なメンタルヘルス・プログラムで取り入れるようになりました。
ヨガをされている方には,わりとなじみがあるかもしれません。
気持ちの切り替えをしたいときなど,日常的に活用しやすいんです!
さっそくやってみよう! 『簡単マインドフルネス』
まずは,『今ここ』に集中することをやってみよう!
皿洗いマインドフルネス
お皿洗いをしながら,1分間,水が手に当たる感じや,泡の感触,水の音に意識を向けてみましょう。
やりながら「この後子どもをお風呂に入れなきゃ」とか「こんなことして何になるんだ」などの考えがふつふつとわいてくるかもしれません。
それは『別のこと』『別のアプリ』であり,瞑想風にいうと『雑念』です。
自分が別のことを考えていると気がついたら,大成功です!!
その『別のこと』に『雑念』とラベルと貼って,さようならしましょう。そして再び,水の感触や音に意識を向けなおしましょう。
こんな風に,『今ここ』に気づく習慣をつけておくと,いざというとき役立ちます。
トイレでマインドフルネス
便座に座ったとき,10秒ほど足の裏が床にピタッとついている感じに意識を向けましょう。床の硬さや冷たさに気がつきましょう。
簡単でしょう?
トイレに入ると,関係ないこと色々考えているかもしれませんが,10秒だけ,今感じている感覚に意識を向けてみましょう!
お茶のマインドフルネス(動画付き)
これは,私が実施しているマインドフルネスプログラムでも用いている方法で,たった一口,お茶を飲むだけのマインドフルネスです。
10分ほど,他の人に邪魔されずにゆっくりできる時間があったら,ぜひお試しください!
まずは,お茶などのお飲み物を用意して,テーブルに置き,その前に座ってください。
それから,下の動画の音声を聞きながら,ゆっくりお茶を楽しんでください。
お茶のマインドフルネス(3分間)
どうでしたか?
普段,何気なく飲んでいるお茶とは違う感じがしませんでしたか?
- 「こんなに意識してお茶を飲んだことはなかった」
- 「味や香りをいつもよりよく感じた」
- 「うっかり普通に飲み込んでしまった」
などのご意見が良く聞かれます!
「うっかり飲む」…とても素晴らしい感想です。普段は何も考えずに飲んでいるので,マインドフルネスをすると「何も考えずに飲んでしまった!」と気がついたりします。それがとても大切な体験なのです。
『うっかり』『つい』怒ってしまうのを止めるためには,『つい』やってしまうその瞬間に,気がつくことから始めないといけません!
子どもにムカついたときの,緊急リセット・マインドフルネス!
呼吸のマインドフルネス
<3秒間>息を軽く吸って,
<3秒間>息を止めて(全身に酸素が回るイメージ)
<8秒間>ゆっくり息を吐く(全身の二酸化炭素とともに,怒りの感覚を外に出していくイメージ)
4~5回ほど繰り返します。
普段から呼吸のマインドフルネスをして,慣れておくと良いでしょう。
実況中継マインドフルネス
「今私の頭はカーっとしている」「私は怒っている」などと,自分の状態を心の中で実況中継します。
ポイントは,必ず「言葉にする」ことです。それによって,『今ここ』に意識が向き,冷静さがよみがえります。
5・4・3・2・1法
まずは今,見えるものを5つ、声に出して言います(キッチンのシンク,お皿,箸…)。
次に,今聞こえる音を5つ,声に出して言います(水の音,テレビの音,エアコンの音,呼吸の音…)
3つ目に,今感じる感触を5つ,声に出して言います(水道水が手に当たっている,足の裏が床についている,服の袖が腕に当たっている…)
再び,今見えるものを4つ…
今聞こえる音を4つ…
今感じる感触を4つ…
このように繰り返して,最後は,見えるもの・聞こえる音・感触を1つずつ,声に出して言います。
不思議と気持ちが切り替わります。
まずは気軽に,無理せずできることから…
色々紹介しましたが,好みもありますので,やってみたいマインドフルネス,できそうなマインドフルネスからやってみてください。
マインドフルネスを使った子育て感情コントロールプログラム(宣伝!)
私が開催している,ついお子さんに怒ってしまったり,不安がとまらない保護者さまのためのプログラムがあります。
その名も『怒らないママとパパになるクラブ』です。
クラブ活動のように,みんなで,頑張って,楽しく取り組むプログラムです。
- どんな時にイライラしたり,不安になるのか?
- どんな風に対処するのが良いか?
- ワークをしながら,『自分だけの対処法』を見つけます
- マインドフルネスをしながら,家庭の中で『気持ちの切り替え』を実践します
- ママさん・パパさんでのおしゃべりタイムもあります。
ご興味のある方へは,プログラムの募集が開始したらメールにてお知らせを送りますので,下のフォームで送信してください。
参加するかどうかは,その時考えればOK! とりあえず,お知らせだけほしい方はぜひどうぞ。
まとめ
いかがでしたか?
今すぐ使える1分対処法ですが,何でもない普段から,やってみると良いと思います。その方が,イザというとき使えるので! ぜひ実践してみてください!!
次回は『専門カウンセリングでの根本解決・問題軽減(治療編)』
さて,次回はいよいよこの子育てイライラ対処法シリーズの最終回!『専門カウンセリングでの根本解決・問題軽減(治療編)』です。
自分のことなのに思うようにいかないのが,『感情コントロールのお悩み』です。
ついつい「自分で何とかする!」と思いがちですが、そもそも1人で解決するのが難しいテーマでもあります。
『人間』という文字は『人の間』と書きます。他者から見たときの自分,という視点抜きに解決が難しいことなのでは,と個人的には思っています。それを専門的にお手伝いするのがカウンセリングです。
感情コントロールにはどんなプログラムがあるのか,次回ご紹介します。







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